25歳で脳出血。原因は脳動静脈奇形(AVM)。

社会復帰までの道のり
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<strong>さやか</strong>
さやか

こんにちは。
脳卒中当事者で作業療法士のさやかと申します。


当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。今回は発症経緯などの、心境などつらつら書き綴っていきます。
お付き合いくださると幸いです。


怒涛の脳出血発症

若すぎる脳出血発症


25歳のときに脳出血を発症しました。

社会人になって、3年目の冬。

「若っっ!!」
「いや、なんで??」
「健康体なんやけど?!」

と、思いました。

「今かよ」

とも、思いました。

活力に満ちあふれていて、躊躇なく新しい価値観にぶつかっていける勇気がある。
これぐらいの時期って。
若さは武器だと思う。

だからこその「今かよ」。



目覚めならオムツはいてた



発症ー手術ー目覚め。怒涛の展開で文字数・文章数が多くなりそうなので、簡潔マンガ風でお送りします。

■失読:文字が読めない状態。↑↑↑目をこらすと、モジャモジャが邪魔をする。


意識が戻ったとき、言葉もでない、右半身がうごかない、オムツつけている。

オムツはショックでした。
(排泄って大事、、、)



もう以前の私に戻れない

発症前・後で人間性が変わるはずもないのに。

その事実を受け入れなれない状態が続きました。





原因は脳動静脈奇形(AVM)



結論をいうと、脳動静脈奇形という生まれつきの病気でした。


脳動静脈奇形(AVM)とは??

脳動静脈奇形(AVM)は脳の中にできた「血管のかたまり」のようなものです。脳内の動脈と静脈が「血管のかたまり」(ナイダスといいます)で直接つながっており、大量の血液が流れています。胎児期から小児期にかけて発生することがほとんどで、成人以降に新たに発生することはほとんどありません。

京都大学医学部附属病院 脳神経外科


医療的な情報は下手なことは書けないので、京都大学医学部附属病院 脳神経外科様からの引用になります。絵と写真があるため、イメージが湧きやすいのではないかと思います。



脳動静脈奇形なんて言っても、一般の方には分かりづらいので、

「でっかいカタマリがあって、破裂ちゃった~~」みないな感じです。


私、昔から偏頭痛持ちでした。



小学生のうちから定期的に頭の痛みがおそってくるので、大人になる頃には変な話ですが、その痛みに慣れてしまっていました。

そのためか、私の偏頭痛の対処法は「放っておく」「服薬する」の二つでした。


一般にはあまり知られていない病気であるため、頭痛くらいじゃなかなか病院に行かないような気がして。


頭痛いの??それ、ただの頭痛ではないかもしれないよ。病院に行ってみたら?」

と、少し背中を押したいなと思ったのです。






障害をもって気づいた価値観

「障害=弱さ」という偏見


まだ発症したばかりの私は、「この先」の不安ばかりが頭の中を駆け巡っていました、、、
トイレはどうするか。お風呂はどうするか。歩けるのか。
この先、生きていくための必要経費はどうするか。

この体、、、「絶対、働けんわ!!」と思いました。


「障害=弱さ」という認識なんだ。私って。


口では綺麗事をのたまっていても、心の中では障害に対してネガティブイメージを構築している。

「障害者=かわいそう」
「障害者=生きづらい」



私の中にある価値観に気付いた日でした。





偏見は、つみ積み重ねた価値観の集合体


発症してから随分経ったあと、こう考えるようになりました。


「偏見」は、小さな頃からの価値観の積み重ねによって造られる、と。

私には確実に障害に対する偏見がありました。

それがたぶん、私の人間性です。


「めちゃめちゃ嫌な女やな。」と実感。

その後、前向きになれない日々を漫然と過ごします。
(年単位で続く。)





自分の汚い部分を自覚した先


発症から数年間の自己肯定感は恐ろしく低いです。

自分を受け入れることへの戸惑い、怒り、、、

「元通りになってみせるし!!」と息巻いていた私は、受け入れたら機能回復を諦めたような気がして。

ありのままの自分を好きになることが難しい状態でした。


ここで障害受容の説をご紹介。
※注意!!
発達分野でよく言われているものをご紹介しています。
私が発達分野で働いているのもので、、、。
障害児の親の障害受容の説なのですが、成人にも通じるものがあると思われます。

段階説(Droter  1975)

①ショック
②否認
③悲しみと怒り
④適応
⑤再起


上記、成人でのよく言われているものかな
これ、、、なかなか難しくないですか??
だって、これ絶対こんなうまく「①、②、③④、⑤~やった~~受容★」とは、、、

いっっかーーーーんっっ!!!

(もちろん長い時間をかけるのだろうけど、、、)






慢性悲哀説(Olshansky 1962)

発達の「節目ごと」に、悲しみを感じる。何年たっても悲しみを抱く。
■慢性的な疾患や障害は終結する事がない。悲しみは常に存在する。
■悲しみは、常に表には出ないが、ふとした時に表に出でくる。
■就学など子どもが迎える新たな出来事がストレスとして働き、それが引き金になる。
■喪失感、失望、落胆、恐れなどの感情が含まれる。



私は中途障害者であり、障害をもったお子さんの保護者の方の心理は、理解しようと思っても、本当の意味で理解しにくいです。


我が子に障害がある。自分ではなく子どもに。
計り知れない悲しみ、罪悪感、、、


どれだけ似た境遇であったも、同じ痛みは存在しないわけで、
「気持ちわかる~」という同意は、簡単にはできない。


私はというと、何年経っても悲しみを抱く。確かにです。
しかし、今になって言えることですが、病気が教えてくれたことは、確実にあります。

ベネフィット・ファインディング(有益性の発見)は、発症から5年後の時より発症から10年後、
発症10年後よりも今の方が、ちょっとだけ多くなったような気がします。
(あくまでも私の場合。)








螺旋型モデル(中田洋二郎 1995)

親の内面には障害を肯定する気持ちと障害を否定する気持ちの両方の感情が常に存在する

親と障害の認識と受容に関する考察-受容の段階説と慢性悲哀説

障害受容の過程を段階ではなく、肯定と否定の両面をもつ螺旋状の過程と考える

親と障害の認識と受容に関する考察-受容の段階説と慢性悲哀説

引用元にいきますと、とても分かりやすい図があります。


肯定と否定を行ったり来たりする受容過程が螺旋型モデルと言われています。



前述した通り、私は中途障害者です。

ですが、螺旋型モデルを目にしたとき、しっくりくる、、、
と言いますか、


「いつも前向きじゃなくていいんだ、、、」

と、少しほっとしたんです。





各ライフステージの各場面で、肯定と否定の感情はいつも背中合わせです。


就職試験、面接、友達の結婚、出産、キャリアアップ、、、
その度に、妬み、嫉み、焦り、憤り、怒り、苛立ち、羨ましさ


ぐちゃぐちゃ過ぎて私の中の「私」という核が形を保っていられない。

そういう感情が、いつでもひょっこり顔を出します。


でも、、、
その感情って健常者、障害者、関係なく誰にでもある


「浅ましい人間だ」と自己嫌悪に陥りますが、ネガティブな感情あって当然です。
そりゃ、生きている人だから。



そう思ったら、「まぁいっか」ができるよう気がしました。
それでいいんだ。




まとめ

自分の弱さを知っている人は強い!!



最近、自分の弱さを知っている方は、穏やかながら周りの空気をピリッと振動させる確固たる意志を感じることが多いです。

芯、鋼かよ、と。



私の方はというと、まだまだその域に達しておらず。
よわよわです。

意思は弱いので、すぐに迷いが生じて、ふらふら迷子になります。
時には谷底まで落ちます。


その度に、周囲の人々に地の底から何回も何回の引っ張り上げてもらい、
何回目か分からない決意表明をし、また困難に出会い、地に底に落ちる。

その繰り返し。



でも、失敗は次の経験に活きる。

というか、発症後は思考に応用が利かないから、完全に経験重視!!!

様々なケースを想定して、成功するときもあれば、失敗するときもある。
その経験を自分の中に貯蓄する。
(でも忘れちゃうんだよな、、、学習の困難さ、、、)


時間の経過なのか、できることが少しづつ増えてきたからなのか、
肯定と否定の螺旋のねじり幅はほんの少し小さくなった気がします。


ただ、肯定と否定の感情の背中合わせは、死ぬまで一緒でしょう。

それでいい。


前回の記事で、「障害を強みに」と書いていますが、
障害の強みって、こういうことかなとも思うのです。



自分のどろどろした感情や弱さを自覚して、それも自分なんだと内包する今が「強み」になる。

私の場合はですね!



人生を楽しく、過ごしているかは分からないけど、
「濃度のこい人生を送れるかもな~~」と、思ったりもしなかったり。
、、、なんとも言えんです笑



これから失敗談(どうしても失敗談の方が多いので)や、福祉サービス等について書いていきます。
(私が医療より福祉の方に、多くお世話になっているため、福祉について書くことが多いと思います。)


「あ。こうならないようにしよう、、、」
「こういう時は、こうすれば良いのね。」
「この、さやかっていう作業療法士。馬鹿だな。」


と、ほんの少しでも、気分転換のお手伝いができたら、幸いです。

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