脳卒中当事者の作業療法士が創る「障害の価値」

社会復帰までの道のり
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この度は、このブログにお越しいただきありがとうございます。

脳卒中当事者、そして現役作業療法士(ついでにペーパー社会福祉士)のさやかと申します。




このブログ、どのようなブログかというと、

「障害当事者が社会復帰していく過程を描いていく」ブログです。

(実は、以前もブログ書いてました。「さやかの脳出血ブログ」、良かったら覗いてみてください。)




当事者になったからこそ、

病気や障害に対する正しい知識
「内側」からみた症状

実際に使ってみてわかる、福祉サービス・社会保障の実情



作業療法士・社会福祉士という立場で、客観的に情報として述べていきます。






↑自分でハードルあげました、、、


そして!!重要なのは、当事者にしか感じる事のできない経験を情報として提供します。

(以前もブログをやっていて、2019年に世界仰天ニュース様に取材していただきました。「左脳からの出血!衝撃の失行とは?」


今回の記事は、今までの経過を大まかに書いていきます。

いわゆる総論。

後々に書いていく記事が各論。みたいな感じです。
このブログサイトの概要として、お読みくだされば幸いです。



障害当事者ブログをやろうと思ったワケ

障害をもった方が「読みやすい」ブログを作りたい



私、入院中も退院後も就職してからも、本当に失語症に苦労しました。

だって、言葉が出てこない・文字が読めない・書けない・聞こえないですもん。

そう。「読めない」んですよ!



正確には「読むことが難しい」状態なのですが、読みやすくするためには、それなりの環境設定が必要です。

文字数、ひらがなと漢字の割合、改行の頻度、装飾、具体的な絵、、、


失語症の方は、ひらがな・カタカナが特に読みにくいです。

個人差がありますが、私が「読みにくいな」と思ったら、そのサイトは障害をもった方には「読むのが面倒くさい」サイトだなと思います。


でも失語症の方もその他の障害の方も、そのご家族の方も、情報は欲しています。


退院後、社会復帰できるのだろうか、、、その前に日常生活を送ることができるのだろうか、、、
と、不安に感じていると思います。

社会復帰する過程のモデルは多い方がいいな。
それを発信することができないか、思案していたところ、、、


その時、友達に「ブログやればー?」と、、、




それって作業療法士の私が適任では?


発症時が現役作業療法士だったからこそ、なかなか理解しにくい失語症や失行症などの後遺症を、分かりやす~く説明できます。


当事者だからこそ、絵や図を使用し、失語症の方が「こうすると読みやすい!」というポイントをついてきます。

作業療法士だし、けっこう絵とか得意です!

控えめに言って、適任すぎません??


と・いうわけでブログを始めたわけです。




25歳の大事件。脳出血発症

原因は脳動静脈奇形(AVM)



「AVMってなんや?」て感じですね。


AVMは、先天性の病気で異常な血管の塊によって、動脈と静脈がくっついている病気です。

放置していると、破裂します。


しかし、破裂して初めて自分にAVMが在ことを知る方が多くいらっしゃいます。


実際、AVMは出血で発見されることが70%だそうな。恐ろしい、、、


AVMに関しては、後々詳細を記事にします。




片麻痺、失語症、失行症、注意障害etcの後遺症


脳出血なので当然、後遺症があります。
私の場合、割と、、、というか、かなり出血が多かったようです。


私の後遺症は、右片麻痺、失語症、失行症、注意障害、てんかん等です。
(てんかんに関しては服薬で落ち着いてます。)

◎片麻痺身体の左右どちらかの麻痺がある状態

◎失語症:「言葉」に関する機能が障害された状態
「話す」「聞く」「読む」「書く」などが難しい

◎失行症道具が使えなかったり、指示された行動が難しい状態


これらの各後遺症に関しても、後々詳し~く書いていきますね。



下図)失語症の「聞く」が難しい状態。






退院してからが本当の闘い

社会生活=ベリーハードモード


歩行する事・トイレも自分一人でできるようになり、退院の運びとなりました。
院内ADL(日常生活動作)は自立しているため、退院しても「まぁまぁやっていけるだろうな」と思っていました。


自宅に戻ると、全てが「リセット」されたことに気付いたのです。



◎「レンジで温めよう~~」
     ↓
 「どうするっけ??」
(初めてのことに対するキャパオーバー)

◎「料理しよう~~」
     ↓
 「どうやって、、、?」
(計画を立てて、各工程を遂行することが困難)

◎「美容室予約しよう~~」
     ↓
  電話口の声が、何言っている分からない!
(聞いて理解することが困難)

上図はほんの一例。



法の谷間:特定求職者雇用開発助成金編


退院後、傷病手当と失業手当で生活していました。
けれども給付期間には限りがあります。

「働かんとっっ!!」


ハローワークにて、障害者就職面談会を紹介される。→ある企業に就職が決まる!!



2年で雇用止め。


障害者雇用としての雇用でした。

障害者を雇用すると、特定求職者雇用開発助成金を企業側が国からもらいます。


その期間は2年間。

えっ、、、2年間???

えっ、、、助成金がないから派遣切り???ですよね?



ズタボロになった自尊感情


また引きこもり。

人の役にも立ってない。

社会の役にも立ってない。

私には役割がない。



私には存在意義がない。


もう廃人一歩手前、、、いや片足突っ込んでました。



4.高次脳機能障害=「見えない障害」

高次脳機能障害者は就学・就労が最大課題



私の場合、失語症や注意障害が障壁だったなと感じました。
(このブログでは行政的な高次脳機能障害だけではなく、学術的なものも含めますね。)


仕事をするうえで、

うっかりミスが多い
同時進行が苦手
要領が病的に悪い
コミュニケーションとるのか苦手
パソコンで文字を打ち込む事が苦手
紙に文字を書く事も苦手
数字が分からない


上記はほんの一部ですが、こういう社員いたら、ちょっと困りません?
まぁ昔の私なんですが。


だけど外見では分かりづらい。


いわゆる「見えない障害」ってやつです。


高次脳機能障害者は、見た目と内面のギャップに苦しんでいます。



根拠のない自信=病識の薄さ


高次脳機能障害者は、自分が障害をもっているという自覚が薄いことがあります。

当時の私も
「できると思うんだよね~!」と、思っていました。

何の根拠もないのに。

実際、雇用止めになった会社でも、、、

「自分はできる!」と思っていたが、実際はできていたの?  
配慮がほしいけど、周囲の職員にその旨を言っていたの? 
無理のない範囲で仕事をしてた? 
自己管理できてた? 


いま振り返れば、全然できていなかったです。

もう全っっ然っ!!!

雇用主側は私が何も言わないものだから、どこまで配慮するべきか分かりません。
自己管理できない社会人って、世間一般的にはそりゃあ雇用止めになります。



そこで、自分が機能的に、体力的に、いったいどこまでできるのか、できないのかを模索し始めました。


しかし、「自分」というモノが分からない!

でも職場で、「高次脳機能障害があるんだから、しょうがないじゃん!!」とは言えない。

「全部、出来ます」とも言えない。


障害は治るものではないですから。



障害当事就業・生活支援センターに相談


自分一人では答えが見つからないので、どうしたかというと、
障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)に相談に行きました。


そこで、

今の現状
作業療法士がしたいけど、実際無理ではないか?
このままでは廃人になってしまう。


これからの不安をぶちまけました。



就労移行支援の利用


ぶちまけた結果、支援員から就労移行支援利用の提案があり、とある福祉事業所の就労移行支援に通所することとなりました。

就労移行支援とは??
福祉通所サービスの一つ。
・一般就労に向け、訓練や相談を行う。
・65歳未満。最大2年間。
・訓練のため、就労継続支援のように工賃はない。



職場体験や実習で、工場や清掃や接客など自分にどんな適性があるのが探り、
「無理なく就労して、継続していけるか」がテーマの転職活動をスタートしました。



雇用主が求職者の障害について理解を深めるために、「実習」というシステムがあるのは良かったです。

しっかりネガティブな面も見て雇用するかどうか、決めてもらった方が私もほっとします。



2度目の就労


無事、在住している市の病院に雇用決定しました。

障害の理解に関しては、「説明書」を作成
労働時間は6時間
職種はリハ助手


その時点での、私の「無理なく就労して、継続していけるか」。


その後、通信制大学に通って社会福祉士の資格を取得したり、
転職して本当にOTに復帰したり
と、

話は尽きませんが、また次の機会に、、、。




いま伝えたいこと

障害は治すものか?


まって。
障害って病気じゃないです。



「治す」に違和感。



片麻痺や失語症などの障害の回復具合で、その人の頑張りを評価する人がいます。

「さやかちゃん、もっと頑張らんといかんよ」
「頑張れば、もっと良くなるから!!治るから!!」


おめぇふざけんな。


頑張ればどうにかなるという、根性論的思考。

嫌いです。



発症してからも就労してからも、ずっと考えていたこと。


「障害って治すものなの??」

「障害って障害者本人が悪いの??」

社会に障壁があるから、障害というものが生まれるんじゃないの??


上記の書き方だと、開き直りのように感じるかもしれませんが、決してそうではないのです。



私には、どんなに頑張ったってできないことが、沢山あります。

でも、できることも沢山あるんですよね。



結構、障害をもった私も好きになりつつあるのです。




(でも「障害は個性」という言葉は絶対使いません。この言葉、嫌いですから。)



障害に価値を創る


価値とは。

私の場合は、
「障害者としての経験」を発信すること。


人間、前例があると安心します。
私の経験を、一つのモデルケースとして捉えてもらえたら、

それはもう嬉しいこと。



「壁は乗り越えられる人の前にしか現れない」と人はよく言いますが、、、


私は壁は登らず横からすり抜け派。


別にどんな過程を辿ったっていいと思います。

乗り越えたっていいし、
すり抜けたっていいし、
穴を掘ったっていいし、
壁をぶち破ったっていいし、
(※物理的ではありません。)

いろんな道を模索し、試行錯誤するのが楽しい。

試行錯誤した中に、新しい価値観の発見があり、
それが価値の創造につながるのだと思います。


まさにいま、「障害に価値を創っている」過程です。




「障害を強みにしたい」

その思いで、今このブログを運営しています。



遅筆ではありますが、脳卒中当事者の方々の少しでも励みになるような記事を書いていきます。

これからよろしくお願いいたします。




コメント

  1. mig より:

    はじめまして^^
    私は2020年3月にAVMからの視床出血が原因で、
    左半身の感覚障害と運動麻痺が後遺症として残っている脳卒中当事者です。
    今まで、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士として15年程勤務してきた経緯もあり、さやかさんと似た様な状況にあるなと勝手に感じています。

    回復期病棟で過ごした5ヶ月間、さやかさんのユーモアと専門性に溢れるブログに沢山助けられました!
    後遺症として、中枢性疼痛もありますが適当に共存していってます。

    今はまだ在宅生活ですが、時がきたらやはり、経験も役に立つかなと期待して社会復帰を目指しています。

    とにかく、ひそかに更新を楽しみにしていたので、思わずコメントしてしまいました!

    引き継ぎ、ブログを楽しみにしています◎ mig

    • ot-sayaka ot-sayaka より:

      はじめまじて。さやかと申します(*´ω`)
      もしかして、アメブロの方でも読んで頂いたんでしょうか?ありがとうございます!!

      一年以上も更新せず、またいきなりの引っ越しすみません、、、。
      一からサイト作りたいなと思いまして。とりあえず、コメント欄が機能してて良かったです(^^)

      すごく親近感のある経歴!福祉の世界で15年も!
      私はペーパー社会福祉士なので、めちゃめちゃ大先輩じゃないですか、、、!

      視床出血との事。視床痛を「共存」と言える心の持ち方、その経験って、本当に凄いことですよね。
      すみません、語彙力が消失しててうまく言えません~

      痛みや感覚障害も目に見えない障害で、人には分かってもらいにくい障害だからこそ、
      その経験を生かした社会復帰を応援しております(^^)
      勝手なことばかり言ってすみません。

      ブログ、ひっそりと続けてまいります。
      コンスタントに更新します、とは言えないのが辛いところですが(笑)、
      今後もよろしくお願い申し上げます。

      • mig より:

        コメントありがとうございます◎
        疼痛については、見えないだけに辛くて、それでも自分なりに沢山調べたり、体験談を参考にしたりで自分なりの付き合い方を日々模索中です。高次脳機能障害も見えない症状で、辛さの種類は違えど、きっと同じ様な感じなんだろうなぁと思いながらです。

        引き続き、宜しくお願いしますね✳︎

  2. masa より:

    初めまして。
    前のブログ、なんとな〜く見てました。
    今回の記事、とても読みやすいですね!
    無理なく、更新して下さいね。
    これからも楽しみにしてます!

    • ot-sayaka ot-sayaka より:

      はじめまじて。さやかと申します。
      読みやすいと言って頂けて、ありがとうございます(^^)
      前ブログもご訪問、ありがとうございます!

      本当に更新滞りがちなんですが、その暖かいお言葉や「楽しみにしている」という声がモチベーションになります(^^)
      今後もよろしくお願い申し上げます。

  3. hat より:

    初めまして。私は1993年にAVMを発症して、2004年に専門学校卒業後、フリーター、前職3年弱と現職14年ぐらい経ちます。子供の頃から卒業まで何かと弄られてきましたが、あの時の痛みに比べれば何て事は無いと全力でやり返してました(笑)
    ブログを拝見して、同じ病気でも全然違うんやなぁと励みになりました。
    どうせ自分なんてと腐るのは良くないので、お互い無理をせず出来る事から頑張って行きましょうね!

    • ot-sayaka ot-sayaka より:

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      発症時はもしかして小学生とかですか?大変な思いをされたんだと思います。
      現職を14年も継続していらっしゃりとの事。
      私はわりといろんなところを渡り歩いているので、尊敬します!
      「無理せず」、本当に大事だなと、年々思います。お互い、休憩を適度に挟みながら頑張りましょう!

  4. 匿名 より:

    はじめまして。
    20年前、脳内出血により発症しました。
    手術を受けて血痕を取り除き、無事に終了しましたが、軽症の為、リハビリは受けられず、退院する事が出来ました。
    しかし、ふらつき、頭痛があり、今でも、まだ、脳外科医いんに通院し、服薬している毎日です。
    今、現在、介護士として勤めています。これまで、様々な職業を回ってきました。頑固で負け嫌いな性分がある為、更に、小さい時から、聴覚障害者を持ちながら、社会的ルール、人間関係がうまく行かず、やっとたどり着いたのが介護士でした。去年見事に国家介護福祉士の試験で一発で合格され、今でも、働き続けています。
    さやかさん、頑張ってください。影で応援します。

    • ot-sayaka ot-sayaka より:

      はじめまして。コメントありがとうございます!
      現在も通院されていらっしゃるのですね。
      そんな中、介護福祉士の国家試験合格おめでとうございます!!
      働きながらの国試挑戦は本当に大変ですよね・・・
      (もちろん学生の方でも国試は大変!)

      お互いに頑張りましょう!!

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